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植物発電の仕組み|葉っぱが発電するようになる

世界的な脱炭素の流れを受けて、太陽光発電や風力発電など再生可能エネルギーが注目を集めていますが、天候に左右されるというデメリットが存在し、安定した供給ができないことが長年の課題です。

そんな中「悪天候こそ発電の効率を高めるチャンス」とする、逆転の発想を使ったエネルギーの活用の研究が進み、注目を集めています。

人工葉は二層で形成される

イタリア・ジェノヴァにあるイタリア工科大学の技術研究チームは、風や雨の力を利用して再生可能エネルギーを作り出せる「人工葉」の開発を行っています。

人工葉の上部はフッ素加工されており、雨滴が落ちると表面で発電し、下部はシリコーンの層が形成されていることで、風から電気を作る時に役立つといいます。

悪天候こそ発電のチャンスになる

この人工葉は、本物の植物の中に入れて使用することで、風が吹いた際に本物の葉と人工葉が触れ合い、それらが離れる際に生まれる静電気を利用して発電する仕組みです。

また、雨水が人工葉の表面に広がる際の電気を利用できるため、雨天時や風が強く吹く状況でもうまく機能するとみられています。

スマート農業に応用ができる

キョウチクトウを使った実証実験では、11個のLED電球に電力を供給することに成功し、材料など設計変更によって人工葉の性能をさらに改善できる可能性も期待されています。

また将来的に、農業をはじめ、植物の健康状態を観察したり、気候条件を監視するための遠隔環境モニタリングに応用も想定され、ますます開発が進むとみられています。

乗り越えるべき課題はあるものの、化石燃料の枯渇や不確実性が懸念される現代において、新しい再生可能エネルギーの活用は急務ともいえます。

しかし、私たち一人ひとりがエネルギーの使い方に対する意識を変えていくことこそ、最も忘れてはいけないことであることに違いはありません。

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