レポート 健康

コロナの後遺症について|認知機能の低下

2023年5月、世界保健機構は新型コロナウイルス感染症について、国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態に当てはまらなくなったことを発表しました。

コロナ禍が収束しつつある中、未だに後遺症に苦しんでいる人も存在し、緊急事態が発出されて約3年が経った今、ようやくその実態が明らかになりつつあります。

コロナによる後遺症に悩む人が多い

疲労や集中力の低下など、COVID-19から回復してもなお感染時と近い症状が残る症例は「ロングコビット」と呼ばれ、世界各国で報告されています。

オランダ・フローニンゲン大学の研究チームによると、2021年で少なくとも6500万人がロングコビットに罹患している可能性があり、また別の研究団体によると、その数はさらに多いとも推定されています。

認知障害の後遺症が多い

アメリカ国立衛生研究所では、12人のロングコビット患者を対象に検査を行い、その結果を新型コロナウイルスに感染していない健康な人々のグループと比較しました。

その結果、コロナウイルスに罹患し、症状が起きてから9ヵ月が経過したロングコビット患者は「免疫細胞数」に異常があることが明らかになりました。

感染が続いている可能性もある

研究チームの分析によると、再感染した際に備えて体内に存在する「メモリーT細胞」が減少する一方、抗体を生産するB細胞、細胞を感知して破壊するナチュラルキラー細胞の数が増加していたといいます。

感染から時間が経っているにも関わらずこれらの免疫異常が持続することは、感染が長く続いている可能性もあるとみられています。

日本でも新型コロナウイルス感染症の位置付けが5類に移行されて以降、徐々にノーマルの生活に戻りつつありますが、まだまだ日本人の多くがマスクを着用し、このウイルスに対して過剰に反応していることは事実です。

コロナウイルスに罹患しない方が良いに越したことがありませんが、このウイルスが完全に消え去ることはないことを認識し、まずはマスクを外し、ウイルスとの共存に切り替えるべきなのかもしれません。

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